気象観測システムとは?

 

気象観測について

気象観測とは

 気象観測装置とは、気圧、気温、湿度、風向、風速、降水量、日射量等の気象観測を行う装置で、各種の信号変換器やデータロガー(記録計)、通信機等で構成されています。

気象観測の対象

 様々な気象現象を把握するために、気象観測は地上・高層・衛星など様々な場所で行われています。その中で最も基本的な観測は地上気象観測です。ここで説明する気象観測システムも地上気象観測を対象としたものです。

無人で観測する気象観測システム

 かつて気象観測は有人で行われていましたが、近年多くは無人で行われているため、自動的にデータ処理と保存が可能なデータロガー(観測データの記録計)が開発され、多様な気象観測ニーズに対応した気象観測システムの構築が実現しています。

電源不要で広範な設置環境

 また、電源確保の難しい屋外観測の要望に対応するため、低消費電力のデータロガーをベースにする装置も開発されており、より広範な設置環境での観測も可能となっています。

主な気象観測システムの製品紹介

気象観測システム FieldMiniシリーズ(ネットワーク対応・カスタマイズ製品)

気象観測システム FieldMini-WT(ネットワーク対応・カスタマイズ製品)

気象観測システム製品のカスタマイズ事例

気象観測システムの種類

様々な計測項目を組合せ

 気象観測装置はセンサーの組み合わせにより様々なバリエーションの計測項目を組合せることができ、低コスト簡易型のセンサーから高性能で耐久性のあるセンサーまで選択することができます。

目的に合わせたカスタマイズ

 また、データ記録の自動化や表示器への出力、インターネット等の回線を通じたデータ伝送及び遠隔監視等の個別機能を組み合わせたシステムなど、目的に合わせてカスタマイズすることができるものもあります。

低コスト簡易型と高性能型

 フィールドプロで用意している低コスト簡易型のセンサーで構成された気象観測装置は、短期計測向きの簡易型の安価なセンサーで構成されており、高性能型は耐環境性・精度・信頼性を重視しているため、設置環境の厳しい場所での利用に適性があり、気象庁検定取得可能なセンサーで構成されたシステムです。

ミスがなく、短時間で組立

 簡易型も高性能型も、現場での接続ミスがなく、短時間で組立ができるような工夫が施されており、持ち運びを考慮したオプション機材も提供されています。センサーや通信装置の追加等、計測目的に即したカスタマイズも可能です。

個別機能の組み合わせ例

 個別機能の組み合わせとしては、利用環境や目的に即したデータ収集・画面表示・通信回線等があります。

 例えば、風向、風速、気温、湿度などの気象データをディスプレイや表示器に表示し警報接点出力をするもの、リアルタイムデータを表示他、これまでの推移を表示する「グラフ」や、実績を帳票形式で表示しCSV出力も行えるアプリケーションがあります。

通信回線を利用した遠隔監視

 また、通信回線を利用したものとしては、インターネット回線やモバイルルータ等を経由してデータ送信・メール発報、ブラウザからのデータ閲覧・ダウンロード等の遠隔監視機能を持つ気象観測装置があります。

Webで遠隔監視

 さらに、多地点の気象データをクラウドを使って提供する多地点気象監視システムでは、遠隔地からWebを通して各地の状況を常に把握することが可能です。

気象観測システムの活用

定常化する異常気象

 近年、報道では「観測史上1位」「数十年に一度」「記録的」というワードが連日のように並び、もはや「異常気象」が「日本の気候」になりつつあるように感じます(「異常気象はなぜ増えたのか」(森朗/祥伝社)より引用)。

北半球のジェット気流の変化が異常気象の要因?

 2018年夏に日本を含む世界各地を襲った異常気象が、北半球のジェット気流の変化によって引き起こされた可能性が高いことが、英オックスフォード大などの研究で明らかになりました。

さらに頻繁に発生する気流の変化

 気流の変化は近年増加傾向にあり、研究者は「気候変動や地球温暖化によって将来さらに頻繁に発生すると予想される」と警告しています(時事通信社2019年5月3日)。

ピンポイント気象観測の必要性

 日本全国で今までにない突風、豪雨、竜巻、大雪等の極端な気象災害が多発しているため、ピンポイントで局地的な気象観測を行なうことが求められています。

しかし、厳しい財政事情…

 しかしながら、政府や自治体が地域別対策として、新たな気象観測機器を設置する費用を拠出することは厳しい財政事情においては難しい状況です。

そこで、求められる低コストな装置

 そこで、低コストで構築することが可能な気象観測機器が求められています。

 例えば、異常気象や自然破壊、環境変化などの気象状況の管理や監視を行い、風向風速、気圧、温湿度、雨量、水位等の観測を行なうシステムでは、災害地域の避難経路や避難場所情報の提供を可能とする為の基礎情報として活用することが可能です。

 これは、リアルタイムに気象データを観測することで、管理や監視に必要とされる各種気象情報を逐次・総合的に収集することが可能となり、各種回線を通じて伝送された観測データは、Webでの公開や、外部電話からの音声ガイドシステムによって、利用者に確実に届けられるからです。

 また、電池駆動を考慮した電源仕様や無線通信機能で遠隔伝送することにより、災害発生時における情報収集の確実性が高くなっています。

用途に合わせた仕組みを特注

 さらに、利用者の用途に合わせた仕組みを特注で構築することもあります。このように、増加している局地的自然災害から生命や財産を守り、安全な社会を実現する局地気象予測ソリューションが、社会インフラの重要な仕組みの一環として活用されています。

暑さ指数(WBGT)表示

 この他にも、太陽光発電施設、農業施設、建設現場、大規模屋外イベント等、気象影響の大きい現場・場面では、個別局所的な気象観測が求められる為、気象観測機器の活用が進んでいますし、熱中症を予防することを目的として、暑さ指数(WBGT)も表示するシステムも増えてきています。

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