気象観測を行うシステムについて

2019-11-14

 気象は私たちの生活に大きな影響を与えます。これは、私たちが一日の初めに誰かに出会うと、挨拶とともに天気の話をすることにも表れているのではないでしょうか。一日中、会社の中にいる多くのビジネスマンにとっても、雨の日はなんだか気分がさえないくなるものです。たとえ短くても通勤時の悪天候は憂鬱です。ましてや、農業や林業、水産業にかかわる方にとっては、天候は文字通り死活問題にもなる大きな関心事と言ってもいいでしょう。大きな災害は言うに及ばず、局所的な異常気象でもこれらの産業に大きな影響を与えてしまう可能性があります。
 気象観測を行うことは、現在の気象の正確な情報を得ることで将来の気象の変化を予測し、災害を未然に防ぐことを目的としていると言ってもいいでしょう。気象観測といえば、最初に思いつくのはニュースの天気予報で出てくる気象衛星からの衛星画像ではないでしょうか。少しずつ動く雲の様子を実際にみると素人でも、大体の天候の変化はわかるような気がしてきます。一方で、昨今問題になり始めたゲリラ豪雨などは、このような広い範囲の測定では予測できないのが実情です。隣の町は何ともないのに、ある地域だけ豪雨で大変なことになるということが起こります。局所的な天候を予測するには、その場所における気象観測を行い気象の状態を正確に把握することが重要です。
 しかしながら、これまでの気象の測定は気象庁などの公的な機関が行い、その測定装置も大掛かりなものであったことから、なかなかこのような局所的な観測は難しかったようです。これに対して現在では、観測技術の発達により測定装置の小型化が進み、会社や個人でも購入可能な気象観測システムが存在するようになってきています。気象観測の観測対象となる気象要素と呼ばれるものには、気温、気圧、湿度、風、降水、日射などがあります。これらはいずれも、温湿度計、気圧計、風向風速計、日射計などそれぞれ専用の計測装置があります。気象観測システムでは、これらの測定装置がコンパクトにひとまとめになったものもあります。電源として太陽光発電装置と蓄電池をバックアップに備え、商用電源がなくても自立した測定ができるシステムもあります。このようなシステムを活用し、局所的な気象のデータと気象庁などから発表されている巨視的なデータの両方を活用することで、局所的な天候の変化をより正確に予測することが可能になると考えられます。

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