アメダスの機能と役割

2019-11-18

 アメダス(AMeDAS)とは、Automated Meteorological Data Acquisition Systemの略で、地域気象観測システムのことです。最初の英語名はAutomatic Meteorological~で、AMDAS(アムダス)をはじめとしたいくつかの略称候補が上がったのですが、当時の観測部長がAMeDASと決めたと言われています。その後、正式名称がAutomaticからAutomatedに変更された後にも略称はそのまま採用されています。
 このアメダスは、集中豪雨や暴風などの気象災害を未然に防ぎ、被害を軽減するために、従来の気象観測システムだけではデータを集めきれない、局地的な気象の動きを監視する為に作られたものです。約1300地点で降水量の観測地点が行われ、全国の17km四方に1地点の割合で配備されています。この中の約840地点では雨量だけでなく、気温や日照時間、風向と風速の観測も行われています。積雪地域においては積雪深も約280の地点で観測されています。2008年からは最大瞬間風速の観測も始まって、気象庁にデータを提供しています。各観測所には気象測器と呼ばれる各種測定器とコンピュータ等のデータ処理部が設置され、測器でデータを測定、処理部で集計してアメダス・センターに送られるシステムになっています。
 各観測所からアメダス・センターに届いたデータは、センター内の専用サーバーでまず信用性をチェック、近隣の他の観測所のデータなどと比較して論理的に矛盾がないかチェックされます。精度の確認が取れた気象データはセンターから気象庁本庁のデータ集配信システムに送られ、そこから国の防災対策機関や地方気象台、気象業務支援センターへ、さらに地方自治体やメディア等へと配信される仕組みです。この時に気象観測上の警報、注意報などの情報などがあれば併せて配信されます。
 意外ですがセンターに送信する回線は伝送速度16kビット/秒のISDNで、これは送信するデータの量が少ない事から信頼性の高いISDN回線を使用しているとのこと。回線速度よりも全国規模のデータを確実に運用する為に敢えて最新の回線を使わないという方針がとられています。アメダスが設置されていない地域での降水量のデータですが、国土交通省の防災情報提供センターを使い、関係機関や地方自治体が河の管理や道路管理、砂防対策のために設置している雨量観測施設の観測値を見ることができます。

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