2019-11-07

 気象観測は、気象による災害の防止や軽減、交通の安全確保や農業などの産業への積極的な利用などを目的とし、多くの機関で実施されています。昨今の異常気象の影響もあり、今後も気象観測は重要性を増し、拡充や発展していくものと思われます。気象観測は、気象学と科学、技術の進歩を通じて発展し、広範囲の気象を継続的に観測できるようになっています。地上での観測では、気象測器の遠測化がすすみ、遠隔地から通信回線を使って多数の観測所からデータを収集して利用できるようになっています。衛星気象観測も、私たちの毎日の生活に深く結びついています。テレビの天気予報でよく目にする映像は、気象衛星の画像で、高度36000キロの静止軌道に打ち上げられた衛星で、宇宙からの雲の動きや地表の温度の分布や風向、風速などのデータを収集し、刻々と地上にデータを送っています。日中はもちろん、夜でも赤外線で海面や温度分布を計測し、台風が発生した場合には、台風の目が周囲よりも温度が低い状態になるため、赤外線を使用して動きを観測します。ただ局地的な集中豪雨や突風などの気象現象は、台風や低気圧よりもスケールが小さく、範囲は数キロから数十キロ程度なので、局地的な気象災害を防ぐには、その現象のスケールに応じた監視が必要です。そのため気象庁では、全国に約1300カ所以上の観測所を設置し、観測を行っています。
 気象観測は、気象現象の観測を行うこと全般を指す言葉ですが、気象学の研究では基礎となる手法で、人類史の中では古代の自然現象観測から始まり、今では地球内外のあらゆる場所で行われています。紀元前6世紀には、ギリシアで風向きの観測が行われ、紀元前4世紀にはインドで雨量の観測が行われていたといわれています。その後水銀気圧計が発明され、19世紀には測定器械による観測が行われるようになりました。第二次世界大戦後半には、気象レーダーが使用されはじめ、1960年に世界で初めて気象衛星がアメリカ航空宇宙局によって打ち上げられました。その後日本でも1974年にアメダスの運用が開始され、監視、観測した情報を迅速かつ大量に収集し、気象の実況や予報に生かしています。監視、観測は陸上、海洋、高山、人工衛星によって行われ、科学技術の発展に伴いその方法は複雑化しています。昨今の異常気象が続く中では、今後ますます精度の高い観測が必要になってくるのではないでしょうか。


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