密度の高い気象観測を行うために

2019-11-20

 近年、気象の不安定さが世界各地で報じられていますが、島国である日本でも気象庁の観測史上過去に例がないほどの異常気象が頻繁に起こるようになってきています。そして、日本全国で今までにないような局地的な豪雨や、竜巻、大雪などの極端な気象災害が多発するようになり、これらの予測や気象の見通しなどをピンポイントで行なう必要に迫られています。しかしながら、国や市町村が地域のための対策として、新たな気象観測局を増やす費用を捻出することは難しいといわざるを得ません。そのため、低コストで構築することが可能な気象観測システムが必要となりますが、さまざまな企業が低予算でできるシステムを構築したり、その情報を表示する装置などを提案しています。そして、気象機器の設置や観測データの収集、処理のために中枢となるデータロガーの開発を行い、多様なニーズに対応が可能な気象観測システムの構築を実現しています。
 異常気象や環境変化などの監視を行い、リアルタイムでそのデータを発信することができることから、各種気象情報を総合的に解析することが可能となりました。また、観測データはWebでの公開や、電話の音声ガイドシステムによって利用者に情報提供を行うことも可能となりました。急激な積乱雲の発達による局地的な短時間の集中豪雨の発生を予測するため気象レーダーを小型化し、設置コストを削減したり、小型化により実現したマルチレーダーで、土砂災害の警戒情報を早期に提供しやすくなりました。さらに、豪雨が予測される場合、その災害地域の避難経路や避難場所などの情報提供を行う判断材料にもなります。
 商用電源がなくても観測ができるバッテリー(太陽電池)駆動のシステムや携帯電話の電波で通信が可能なシステムなど、用途に合わせた機能を柔軟に変更できるようにもなり、設置後の運用保守なども行いやすくなってきています。このように、近年増加している危険なゲリラ豪雨と呼ばれる局地的短時間集中豪雨や、竜巻による被害や河川の氾濫、地すべり等の突発的な災害から命や財産を守り、安全な社会を実現する局地気象予測ソリューションがこれからの社会インフラの重要な仕組みの一環となっています。

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