「平年値」とは?(4)~現平年値(2021年5月19日更新)の特徴~

2021-07-22

現平年値(2021年5月19日更新)の特徴

 現平年値(統計期間:1991~2020年)と旧平年値(統計期間:1981~2010年)を比較すると、現平年値にどのような特徴がみられるでしょうか。

  • 気温について
    季節や地域によって変化は異なりますが、年平均気温は全国的に0.1~0.5度程度高くなりました。
    真夏日(最高気温30℃以上)の年間日数は、多くの地点で3日以上増加し、さらには猛暑日(最高気温35℃以上)が4日以上増加した地域もありました。一方で冬日(最低気温0℃未満)は多くの地域で2日以上減少しました。

    日本の平均気温は長期的に見ても上昇しており、1980年代後半からは急激な上昇がみられています。これは温室効果ガスの増加による地球温暖化の長期的な昇温傾向と数十年周期の自然変動の影響が考えられています。また、地域によっては都市の影響も考えられます。

  • 降水量について
    降水量は、春は西日本で、夏は東日本の太平洋側でそれぞれ5%程度少なくなります。一方で、夏の西日本と秋冬の太平洋側の多くの地点で10%程度多くなります。

  • 積雪量について
    降雪量については、多くの地点で少なくなっています。中には30%以上減る地点もあります。
    降雪量の減少は、冬の気温上昇の影響が一つの要因として考えられます。気温が上昇し降水量が増加している地点が多いことから、気温が高くなったことで、雪ではなく雨として降りやすくなったのでしょう。また、積雪を観測する積雪計が超音波式からレーザー式に変更された影響も降雪量が少なくなった要因として考えられます。レーザー式の積雪計は超音波式よりも雪面の凸凹や空気の揺らぎの影響を受けにくいという特徴があります。

  • その他
    さくらの開花はほとんどの気象官署で1~2日早くなります。
    台風の発生数や、接近数・上陸数に大きな変化は見られません。
    梅雨入り・梅雨明けの時期に大きな変化はありません。

参考:令和3年5月19日から使用される最新の平年値(統計期間1991-2020) 気象庁

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