気候変動による影響の連鎖
2021-04-25
地球温暖化の影響と言われる大雨や台風などの気象災害によるインフラの損傷やライフラインの途絶などは、社会や経済に大きなダメージを与えます。また、気候変動は気象災害を引き起こすだけでなく、分野を超えて影響を連鎖させ、影響の甚大化をもたらすことも懸念されています。
例えば、気温上昇によるヒトスジシマカの国内の生息域の北上です。ヒトスジシマカはデング熱やジカ熱などの原因となるウイルスを運ぶ可能性が高いと考えられており、地球温暖化との関連が示唆されている感染症もあります。他には、海面水位の上昇による砂浜の消失と降雪量の減少による積雪深不足です。海面水位の上昇は高潮による浸水面積と浸水人口の増加等、降雪量の減少は水資源量の減少等が懸念されますが、それだけでなくレジャー・観光業へも影響を与えることが考えられます。また、気温の上昇は生物季節の変化にも影響し、生物相の変化で季節の移り変わりを知るとともに農作業の暦を決める指標として用いられてきました。近年ウメやサクラの開花が早まっているような印象があります。特にサクラの開花は人々の関心が高く、サクラを鑑賞するための伝統行事や祭り・観光行事が企画されるため、開催時期に影響を及ぼすかもしれません。