近年の気象災害【平成29年7月九州北部豪雨】

2021-05-04

平成29年7月九州北部豪雨

 2017年7月5日から6日にかけて梅雨前線が西日本に停滞し、この影響で福岡県と大分県を中心とする九州北部地方で大雨になりました。

 対馬海峡付近に停滞した梅雨前線に向かって暖かく非常に湿った空気が流れ込んだ影響などにより線状降水帯が発生し、同じ場所に継続して猛烈な雨が降ったことから、九州北部地方で記録的な大雨となりました。日降水量は九州北部の多いところで500ミリ、中国地方でも300ミリを超える雨量が観測されました。

[日降水量]
7月5日
・福岡県朝倉市朝倉 516.0ミリ
・大分県日田市日田 336.0ミリ
・島根県浜田市波佐 320.0ミリ
7月6日
・長崎県壱岐市芦辺 362.5ミリ
・佐賀県白石町白石 310.5ミリ
・福岡県柳川市柳川 247.5ミリ

 また、7月5日から6日までの総降水量が福岡県朝倉市朝倉で586.0ミリ、大分県日田市日田で402.5ミリが観測され、7月の月降水量の平年値を超える大雨となったところがありました。これらの地域では最大3時間降水量・最大24時間降水量も観測史上1位の値を更新し、観測記録を更新する大雨となりました。

 この記録的な大雨により甚大な被害が発生しました。直接的な災害の原因は広範囲にわたる斜面崩壊や土石流です。また、それに伴って多量の土砂が下流域に流出し、河川を埋め尽くし河床の上昇を引き起こすことで、甚大な洪水氾濫を助長することになりました。さらに、崩壊によって発生した多量の流木が、渓岸や河岸の樹木の流木化と合わさり、下流域の被害を拡大する結果となりました。

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