防災監視用の気象観測システム
日本では近年、異常気象が原因とみられる自然災害が多発しています。特に増えている自然災害が河川の氾濫による洪水です。集中豪雨や長時間雨が降り続けると河川の水位が一気に増水します。その結果、堤防が決壊してしまい、河川の周囲に水があふれ出してしまうのです。堤防が決壊して河川の辺り一帯が水浸しになると、家屋や田畑に甚大な被害を与えます。また、洪水による被害は、経済的な被害だけではありません。最悪の場合尊い人命も奪われることがあります。
国民の財産や生命を守るためには、少しでも洪水による被害を減らす対策が必要です。自然災害への対策として有効なのが気象観測システムです。気象観測システムを使うと高度な気象予測ができます。今後の雨量や風向風速などを高い精度で予測することができるので、早めに避難勧告を出すこともできるでしょう。早めの避難勧告を出しておけば人命を守ることができますし、家屋や田畑に対策をして経済的な被害も減らせるはずです。
もちろん洪水対策にも気象観測システムは有効に使うことができます。特に洪水対策に有効なのが、河川の水位を測ることができる水位計です。水位計の値を監視し水位が上昇し始めたら、洪水の起きる危険性は高まります。今後も雨が降り続ける予測が出ているなら、さらに危険は高まるでしょう。監視体制をより一層強化し、洪水被害を減らす努力をしなければいけません。また、監視している上流の水位計の数値が上昇し始めたら下流にも気を配る必要があります。上流で増えた水は、数時間後には下流にも流れ込み増水するので、住民に情報提供することで被害を防げるのです。最近では洪水などの自然被害が増加傾向なので、気象観測システムを導入して独自で監視を始める団体も増えています。気象状況を監視する団体が増えたことにより情報量が増え、自然災害が起きたときの被害も減らせることができるようになるでしょう。しかし、異常気象が増え自然災害も増えてきているので、今後も大きな被害が発生する可能性は少なくありません。取り付けるセンサーを増やして監視体制を強化するとともに、それを運用する体制と人の判断基準なども同時に教育していく必要があります。