水位観測に水位計

2020-01-17

 水位計は水位を観測するために使用するもので、水位の変化があるような場所に設置します。ダムや河川や河口付近、湖や沼、海、地下水、側溝水路、上下水道、工業や農業などいろいろな場所で使用されています。特にダムや河川や河口付近においては気象状況によって水位は大きく変化します。危険水位や警戒水位などが決められていて洪水などの災害が発生する恐れのある水位を特定の基準地点で定めて測定を行うのです。主な測定方法は水圧式、超音波式、フロート式、電波式などがありそれぞれメリットがあるのでそれぞれ計測する場所に応じて最適な方法を選択します。
 河川などでよく目にするのは量水板による水位計です。これは橋脚など固定された場所に幅20センチほどの目盛が記された板を取り付けておいてその水位を目視で読み取って測定を行うという方法です。水圧式水位計というのは水圧を感圧素子である水晶や半導体、シリコンなどで直接検出する方法です。水晶は時計や通信機器の周波数の基準をなっている振動子を利用したもので水位が上昇したり下降することで圧力が変化するのでそれを水晶から変化する周波数によって水位を測るというもので高い精度で測定することができるという特長があります。測定できる範囲も広く精度が高いことなどから、河川やダム、貯水池などにも利用することができます。超音波式の場合は超音波であるパルスを水面に送り、そこから反射される超音波を読み取って水面までの距離を測り、さらに水位に変換して測定を行うものです。水や流水に直接触れることなく測定することができますので、河川や河口、海など浮遊物、堆積物の影響を受けないというメリットがあります。フロート式は観測する場所にフロートが浮かんでいて水位が変化することによってそのフロートが上下し内蔵された機器によって測定を行うというものです。プーリーなどで機械的に測定することも可能なので電源がない現場での測定もできるため、停電などの災害にも強いという特長があります。電波式はパルス伝搬時間計測という方式で水位を計測するものです。これはマイクロ波を使用して測定するために温度の変化といった環境の影響をあまり受けることがなく、河川や河口などの水位を安定して計測することができます。人体にも影響が与えることがない微弱電波なのでどこでも使用することができ、小型で軽量であるという特長があります。このようにいくつかある水位計の特長を活かして最適な方法で水位計測を行います。

お問合わせ

Copyright© 気象観測システムのフィールドプロ All Rights Reserved.