水位計の種類と使用される場面
水位計による水位観測は、河川や地下水脈や湖、池、沼、そして海という自然界の水位だけでなく、ダムや井戸、上下水道、そして工業用水や農業用水、工場や工事現場といったように、人の手によって作られた水の範囲まで、幅広く用いられています。水位計はそれぞれの場面で色々な役割を果たしています。まず、台風や大雨など荒天時に天気予報などで取り上げられる河川の増水に関しての情報は、河川水位警報システムのデータが報道されています。警報システムの仕組みとしては、あらかじめ設定した値の水位を超えると警報が発せられるように設定しておき、さらに危険水位を超えるとメール発報や赤色回転灯を点灯させたり、サイレンを鳴らしたりする等、関係機関・施設・近隣住民に危険を知らせるシステムです。また、報道機関や管理施設に知らせるシステムの他に、現場で目視確認してすぐにわかるよう、量水板と呼ばれる目盛りを記載した柱が川に設置されています。このようなシンプルなものと二重体制で安全を管理しています。
災害の危険を感知・報告するものだけでなく、河川・貯水池の水位を測定し続け、記録を残すための水位計も存在します。こちらは増水だけでなく、ダムなどで水位が急激に減少した場合、節水の連絡をしなければならないため、常にモニタリングが必要となります。また反対に、急な増水があった場合は原因の究明はもちろん、どの時点で放水するべきかを判断するための材料ともなります。この他、水位だけでなく雨量も併せて測ることできるシステムも存在します。こちらは、河川や水路、井戸水、タンクなどの水位や水の状態を測ることに使用されます。特に井戸は濁り具合が変化しやすく、また天然の井戸の場合、季節によって水位が上下しやすいため、濁度機能もある水位計が導入されることもあります。特に井戸水が貴重な水源として活躍している箇所では重宝されています。
現在ではこういった水位を測定する装置は、水道会社や国交省関連だけでなくさまざまな企業でも導入されています。貯水施設を持つ企業では常に水位や水質を確認していなければならないため、このような機器は次第に多く求められ、現在広く開発・販売されています。水位の他に水温や濁度、pHなどを測って記録をつける多機能な装置はもちろん、水位のみを純粋に測るというシンプルな装置まで幅広く使用されています。