「非接触型」温度センサーの種類と特性
2021-02-13
非接触型温度センサーは赤外線方式が主流であり、これは物体から放射される赤外線を計測するものです。赤外線そのものは目に見えない光ですが、熱として感じることができる光です。熱があるところには必ず赤外線が存在し、表面温度に応じた特定の波長の赤外線を放出しています。赤外線放射温度計やサーマルカメラ等によって強度情報を取得し、温度を測定します。
最近では赤外線センサーやカメラの低価格化が進んできており、非接触型温度センサーの導入が増えてきています。赤外線センサーには「熱型(非冷却型)」と「量子型(冷却型)」があります。量子型赤外線センサーは主に軍事用途で古くから使われてきましたが、最近は一般向けの熱型赤外線センサーの需要が高まりました。その他、非赤外線式の放射温度計や超音波温度計もありますが、まだ市場規模は小さいです。
非接触型の温度センサーで計測できるのは表面の温度だけです。また、水蒸気や粉塵が多い環境やガラス越し、鏡面光沢や反射のある金属の場合、精度が低下しやすくなります。このように測定対象によっては非接触型の温度センサーが適さない場合もあります。