日射計の特徴と使用場面

2019-12-11

 「日射計」という単語を聞いて、すぐに思い浮かぶ方は少ないかもしれません。日射計は太陽から放射されるエネルギー量を測定するための機器で、単位時間・単位面積あたりの数値を検出します。センサーが検出する対象は太陽熱であり、感知した熱エネルギーを電気信号に変換して、電圧を出力するという特徴を持ちます。センサー部にはサーモバイルと呼ばれる熱電素子が用いられており、日射計は水平な状態に保つ必要があるため、水準器もしくは水平調整装置を併設・内蔵したものも多くあります。
 測定された日射量は直達日射量・散乱日射量・全天日射量の主に3種類に分類されます。直達日射量は、直接太陽から観測点に差し込んでくる光の量を表し、散乱日射量はそれ以外の大気や雲の粒子に反射された間接的に入ってくる日射量を指し、そのふたつの合計が全天日射量となります。日射計はこの直達日射量を測るもの・全天日射量を測るものの2種類が存在します。直達日射量を測る計器は太陽追尾装置と呼ばれる太陽の方向に自動的に向く装置に直達日射計が取り付けられ測定が行われます。この直達日射計の形は筒状となっており、太陽から直接差し込む光以外は感知されないようになっています。全天日射量を測る計器の形はドーム状であり、水平に設置することで観測地点に降り注ぐ総合的な日射量を計測・感知することができます。また、全天日射計は散乱日射量を測ることもできるため、非常に利用頻度が高い計器となっています。散乱日射量を測るには全天日射計を太陽追尾装置に取り付け、直射日光を感知・計測しないよう円盤で遮断して計測します。
 日射計が使用される主な場面としては、農業・工業・建築・医学など幅広い分野で使用されています。日光は動植物の生育および人間生活に直接影響を与えるため、用いられる現場・使用される場面は多いです。特に、植物の蒸発散作用、体温の形成などと密接に関係しているため、農業分野をはじめとする研究機関や現場など、農作物の生育状況の把握や研究のために頻繁に利用されています。また、もっと身近なところだ太陽光発電が挙げられるでしょう。企業はもちろんのこと、一般家庭でも使用されることがますます増えてきた太陽光発電システムにおいては、日射量が非常に重要なファクターとなります。パネルとともに日射計を設置することで、電気に変換する前の太陽光エネルギーの量を調べることができ、変換効率を知ることができます。

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