日射計を使った太陽光発電計測の仕組み

2019-12-20

 太陽光発電を発展させるには、太陽光発電計測を通じてより効率の良い太陽光発電の研究開発に取り組む必要があります。太陽光発電の高効率化に重要なデータは様々ありますが、中でも重要なデータの1つとなるのが日射量や気温といった環境データです。もし、太陽光発電の研究開発に、太陽光発電の発電量のデータだけを利用していると、その研究は非効率なものになりかねません。太陽光の発電効率に大きな影響を与える日射量や気温は一定ではなく、常に変動しているからです。これをデータとして把握できないまま研究開発を進めると、日射量が増えて発電量が高くなったのを改良や改善の成果として誤認してしまう危険性もあります。このため、太陽光発電の発電性能を正しく調べるには、日射量というデータが大変参考になります。日射量の計測データと太陽光発電の発電量を比較したデータを蓄積していけば、試験に使用している太陽光発電設備の発電効率を、より正確に割り出すことができるでしょう。日射量の程度に応じて、太陽光発電設備がどの程度の効率で働くかをチェックできれば、日射量の変化に惑わされることはありません。日射量が増えて発電量が増えたのなら、それは太陽光発電の改良や改善ではなく、日射量の増加による発電量の増大が原因と理解できるでしょう。
 太陽光発電計測システムは、太陽光発電設備から得られるデータを一括して管理することができるシステムになります。電力、電圧、電流といった太陽光発電設備に関わるデータ、また日射や温度等の環境データとを計測して、数値として可視化できるようになるでしょう。遠隔地にある1つのモニター上にそれぞれのデータを表示できますので、いちいち計測器のある所まで出向いて数値をチェックする必要もありません。また、太陽光発電計測システムは、大掛かりな工事を行わなくても、既存の太陽光発電設備に追加で導入することもできます。比較的安価に正確な日射データを蓄積するシステムを構築できるようになってきたため、より多くの地域でより多くのデータを取得していき、活用することができるでしょう。持続可能な社会が求められる現代において、太陽光発電はその重要性を増しています。太陽光発電計測は、より良い社会を築く、より高性能な太陽光発電の開発を支援するデータを取得し、太陽光発電の技術研究と開発を推進するシステムです。

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