日射計の仕組みと感度定数

2019-12-19

 日射計は、日射量を測るための装置です。日射量とは太陽から放射されるエネルギー量のことであり、これらを継続的に調査することで植物の育成などに役立てることができます。なお、日射量は瞬時値を記録するよりも一定時間蓄積した合計を記録しておくことが多いです。日射量を測定することで1日を通しての正確な光の強さの変化を知ることができます。日射計の種類としては「直達日射量」「散乱日射量」「全天日射量」の3種類があります。わかりやすいのが直達日射量で、直接太陽から観測装置に差し込んでくる日射量のことです。一方で散乱日射量は、直達日射量以外のもので、大気の分子や雲の粒子などで散乱された全体光の日射量を指します。また全天日射量は、この直達日射量と散乱日射量を和としたものになります。
 日射計の仕組みとしては、光を感知する装置を設けて、それを熱や電気などに変換して測定することになります。かつては熱に変換して測定する方法が行なわれていましたが、この場合にはデータを記録するのには不便であり、現在では光電素子やサーモパイルを用いて日射量を電気信号に変換し自動的にデータを記録するのが一般的な方法となっています。全天日射計で日射量を測るセンサーにサーモパイルが採用されています。一方で直達日射計は正確に太陽から発せられる日射量を測定する必要があります。このため光センサーを用いた自動追尾装置が付けられている特徴があります。また全天日射量が全体の明るさを測定するのに対して、直達日射量では太陽からの直接入ってくる光だけを測定する性質のため、測定機器は筒状になり周囲からの光を遮るようになっています。
 また、日射計の出力値を示すものとしては感度定数があります。感度定数はmV/kW/㎡(1平方メートルあたり1kWの日射強度の時の出力電圧)で表されます。つまり、日射計の出力電圧値を日射量に換算するためには、電圧値を感度で割る必要があります。この感度常数はセンサー個々に決められており、本体に記載されていることが多くあります。一方で、日射量を測るためには屋外に設置する必要があり、その場合には外気や雨風に晒されることになります。このため機器が年間を通じて受ける影響の度合いも精度として仕様に書かれることになります。

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