私たちの生活と天候の関りを支える風速センサー

2018-11-08

風速センサーを私たちの生活

最近、これまでに予測していた気候から急に変わることが多くなり、竜巻や突風など、突然の自然災害への警戒にアナウンスが流れることも増えました。また、便利になった航空機の利用増加などにより、高い精度で現状の把握や天候の移り変わりを可視化することが求められています。
様々な状況での判断材料として求められる正確な天候の分析の一つとして、風速センサーによる風速・風向があります。あまり意識をしていなくても、私たちの生活に風は多くの影響を及ぼしています。天気予報などでも風について伝える場面がありますが、風の有無によっては気温に対しての体感温度が変わってきます。その日の服装や風邪などへの注意として、毎日チェックする人も多いでしょう。
また、現代欠かすことのできない新幹線や飛行機などの交通機関も風が強いと遅れが出ることや、運休により予定を変更した経験がある人もいると思います。気象判断に使用するのは風速だけではなく、その風向きも天候を左右する大切な判断材料として扱われます。風は、高気圧から低気圧に向かって流れ込む空気であり、風に乗って運ばれる雲によって移り変わる天候を予測する上で、この風の流れを把握することは大切な判断材料の一つです。そのため、多くの場合、風向きを計測する機能も備わった風速風向計を使用します。普段私たちが使用している天気予報や様々な異常気象の警報の発令には、こういった風速計測器の技術の向上が欠かせません。細かい変化もデータとして読み取ることができるため、感覚的ではなく客観的な数値として判断することができるようになりました。

風向風速計を設置する際の留意点

風向風速計は、日々の技術の進歩によって高性能なものが増えてきています。しかし、その性質上、機器の多くは繊細なものが多く、高性能な風速計測器も正しく設置することによってその計測力を正しく発揮することができます。風向風速計は基本的に地上に吹く風の速さや向きを計測します。地上の風を測る場合、平らな開けた場所に設置することが大切です。これは、周囲に建造物や樹木がある場合、その影響を受けて風速や風向きが変わってしまう懸念があるためです。推奨されているのは、一番近い建物や樹木の高さの10倍以上距離を置くことです。そうすることで乱れてしまった風の影響を少なく抑え、より精度の高い計測数値を測定することができます。
しかし、上記の環境を完璧にクリアできる観測地は多くありません。そして、計測したい場所が条件を完全に満たすことができるわけでもありません。もし、希望する計測地が建物や樹木の影響を受けてしまう立地であれば、測風塔を設置することで乱れの影響を抑えることが可能です。
注意すべき点はそれだけではありません。特に冷え込みの激しい寒冷地では、正しく動作できるように着雪や着氷への対策も必要で、凍結に対しても多くの機器で対策を施してあります。風向風速計とともに赤外線ランプなどを周囲に取り付け、冷え込みの厳しいときはランプの光を照射し、その熱で溶かすこともあります。

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