天気予報には欠かせない装置の1つが気象観測システム
気象庁や研究機関・民間企業などで使用されている気象観測システムというのは、簡単に言えば気象の状況を知ることができる機械のことです。そのため、気象情報を伝えている気象庁では必要不可欠な物だと言えるでしょう。最近では民間企業でも気象情報を伝えるようになっているので、民間企業でも導入されています。毎日の天気というのはかなり気になる人も多いでしょう。例えば、洗濯物は天気が良ければ外に干すことができますが、雨であれば干すことはできません。出掛けるときに雨が降っていればどんよりとした気持ちになりますし、帰りに雨が降りそうであれば、傘を持って行かなくてはなりません。多くの人にとって、天気予報はかなり重要な情報源となっているのです。
特に近年は、大雨による災害や大雪による災害、台風や竜巻による災害から地震まで、数多くの異常気象による被害を受けています。このような災害もある程度予測できる気象観測システムは重要です。このような情報を日本国民に正しく伝えるために、気象観測システムは欠かせない存在です。需要に応じて、今後はどんどん精度のよい物に進化していくと予想されます。日本は技術大国なので、精度のレベルを上げることができそうですが、それでも完璧な予測をすることはできません。天気だけに限って言えばかなり正確になっているのですが、それでも外れることもあります。災害に関しては、予測できても防げないことが多いので、災害時の対策をあらかじめ立てておくことも重要です。
気象観測システムというのは、一つの機械の名前ではありません。複数の計測器の総称なのです。気象庁で設置している機器をアメダスというのですが、天気予報をよく見ている人は名前を聞いたことがあるでしょう。日本各地に観測所が設けられていて、そこでいろいろな気象情報を収集しているのです。では、具体的にどのような装置があるかいくつか挙げてみると、温度計、湿度計、雨量計、風向風速計、日射計、日照計、気圧計、積雪深計、これらのデータを記録するデータロガーなどがあります。これらの計測器で得られた情報は、データ伝送装置で送られます。これらの情報をもとにして気象予報士が日本全国に伝えているのです。ちなみに気象予報士は資格を持っていなければいけないのですが、合格するのはかなり難しいと言われています。しかも倍率が高いので、そう簡単に取得できるわけではありません。このような難関を突破した人が分析をしても、やはり予報が外れてしまうことがあるくらい天気を予測するというのは難しいのです。たくさんの計測器を使用して、たくさんのデータを集めても自然が相手であり、地域や地形によっても状況がかなり異なってしまうことも珍しくないからです。同じ都道府県内であっても、地域によって天気が全く異なる場合もあります。県の西側は雨が降っており、東側は曇りで北側は雪などということもありえます。ちなみに気象観測システムというのは、計測器の数とは関係ありません。何かしらの気象要素が観測ができる装置が気象観測システムなのです。
気象観測システムを用いることで、いろいろな情報を得ることが可能になります。日照時間は1日どれぐらいなのかというデータから、雨量や積雪量までも観測可能です。風速がどれぐらいあり、どの方向から吹きつけているのかも分かるので、ある程度先の天気が予測できると言えるでしょう。特に被害が大きくなる台風などは、発生地点から進路まである程度正確に予想することができるようになってきました。もちろん寸分違わず予測できるわけではないので、予報円というのを設けて予想をしているのです。台風だけではなく、梅雨前線や秋雨前線などが発生する時期に、雨が長い時間降り続くこともよくあります。このようなときにも、だいたいいつ頃からいつ頃まで続くのかというのが予測できるのです。特に農業などは天気によって、作業内容や収穫量などに大きな影響を受けるので、気象観測システムから得る情報はかなり重要になります。さらには湿度も予想することが可能です。湿度も大切な判断基準になるのですが、例えば冬だと雪が降ることもありますが、雨になることもあります。雨と雪の境目を見極めるためには、温度だけではなく湿度も重要な判断基準になります。各地から正確な情報を得て、データを蓄積しできるだけ精度の高い予測を立てるために気象観測システムは重要な役割を果たしているのです。