液体を使った湿度計のセンサー
一般の家庭にも温湿度計を設置するところが増えてきました。温度に関しては料理やエアコンの冷暖房の管理などに多く利用されています。てんぷらを揚げるときの温度やオーブンの余熱などは料理の味を大きく左右するばかりか、過熱による危険を回避する目的もあります。特に警報機つきの温度計はてんぷらの調理時のうっかりミスを減らすことが出来ます。このように温度計は家庭内に複数用意されていることも珍しくはありません。一方湿度計もパン作りブームなどの影響で一般家庭にも浸透してきています。美味しいパン作りには温度だけではなく湿度も重要なファクターになります。加湿器と湿度計を使うことでパン作りに最適な環境を作り出すことが出来ます。その他にも冬の乾燥時の加湿器による過加湿状態を防ぐ目的にも使用されます。豊富な湿度は風邪やインフルエンザの予防には効果的ですが、あまり湿度が高すぎると食品の腐敗やカビの発生につながってしまいます。この湿度計にはどのような種類があるのでしょうか。基本的にセンサー部が湿式か乾式によりタイプが分かれます。湿式の原理は、体が水などの液体に濡れると冷たく感じます。これは、水分が蒸発するときに気化熱を奪われているためです。センサーで感知した気化熱の変動を数値化して測定する方法が湿式です。2つの温度計を用意し、一方にガーゼなどを巻きつけ水を吸わせます。空気が乾燥しているとガーゼの水分はどんどん蒸発し気化熱が奪われることで温度が下がります。反対に、空気が湿っていると蒸発は押さえられあまり温度は下がりません。この数値の違いから湿度を求めます。もう一つの、乾式の湿度計の原理は水などの液体を使わず直接空気中の湿度を測定する方法です。センサー部に湿度の影響で形状の変わるものを使用しこれを数値化し測定します。よく知られているものが髪の毛です。髪の毛や動物の体毛には水分を吸うことで伸び、逆に乾燥することで縮む特性があります。この特性を利用し、髪の毛の伸び縮みの長さから湿度を求めます。ブロンドの髪の毛が特に湿度には敏感であることが知られており毛髪式にはこの髪の毛が使用されていることが多くあります。その他にも、2つの金属を張り合わせたバイメタル式や電気式のセンサーがあります。バイメタル式は2つ金属の膨張率の違いを利用し、湿度によって曲がり方が変わる性質を利用したものです。電気式は、湿度によって電気の抵抗が変わる素材を利用して電気の伝わり易さで湿度を計測するものです。