湿度の測定器と記録の方法

2019-07-31

湿度計は気象予報には必須のアイテムですが、塗装業などでも重要な役割を果たしています。また日常的にも過剰な湿気による結露を防止したり、空気の乾燥を防いで喉や鼻の粘膜を保護したりするのに役立ちます。快適さを感じる環境は、気温や人によっても異なりますが、おおむね湿度が40%~70%ぐらいが目安となります。こうした環境を計るために、昔からいろいろな方法が考案されてきました。伸縮式と呼ばれる測定器は、湿気を吸うと伸び、乾くと縮む繊維を利用しています。代表的なのは毛髪湿度計で、若い女性の金髪が最も適していると言われています。現在でも気象観測に用いられますが、ある程度の誤差は避けられません。また伸び縮みするまでにタイムラグが発生することも問題とされます。通常は目盛りを読み取って観測者が記録しますが、測定器にペンが取りつけられ、記録紙に経時的な記録を残せるようにした装置もあります。乾湿計は普通の温度計と湿った布で覆った温度計を並べたタイプです。空気が乾燥していると湿球から多くの水が蒸発し気化熱を奪うため、乾球と湿球の温度差が大きくなります。この現象を利用して水蒸気圧を計測します。湿球が常に濡れており、汚れが溜まっていないことや、極端な高温・低温でないことが正確な観測の条件となります。機構は単純ですが精度は最も高いとされており、ほかのタイプの測定器を補正するために用いられることもあります。バイメタル式は湿気によって伸びる素材と伸びない素材を貼り合わせ、ゼンマイのように巻いたものです。湿度の変化に合わせてゼンマイが巻かれ、指針を動かします。単純でわかりやすいのが長所ですが、精度はあまり高くありません。電気式は2枚の電極の間に吸湿性の素材を挟み、湿気によって電気抵抗が変化することにより測定します。結果が電気信号で表わされるため、フィードバックが容易で、エアコンなどの部品として使われることも多いタイプです。このほか気温を下げて結露する温度を測定し、そこから電気的な方法で湿度を割り出す露点計もあります。一般に湿度の測定は環境の影響を受ける可能性が高く、直射日光や風によって数値が大きく変化する場合があります。エアコンや加湿器の近くでは正確な測定ができませんし、同じ部屋で違う数字が表示されることもあり得ます。故障が疑われるときは、いろいろな環境に置いてみて、変化を確かめてみると良いでしょう。

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