温湿度計のセンサーについて

2019-06-28

温度と湿度を同時に測ることのできる温湿度計は、今は小型化してデジタル式もあります。ただし、湿度や温度は測定計によって誤差にばらつきがあります。使い始めには大きな誤差はないですが、長年経つと誤差の範囲が大きくなります。昔から使用されている測定機器に「アスマン通風乾湿度計」と呼ばれるものがあります。
100年以上前にアスマン氏が考案したことからこのような名称がついています。この測定機器は、デジタルや室内温湿度計と比較して、湿度や温度が非常に正確と言われています。この機器のセンサーはそれぞれ水銀になっており、それぞれアルミ管で覆われ、輻射熱を妨げる構造になっています。また下から上へと風を送りこむことで、室内のよどんだ空気を循環させますので、正確な値を求めることができるのです。測定目盛を目測するときには、できるだけ息を止めて、センサーに近寄らないようにします。一呼吸しただけでも誤差が生じるくらい敏感です。百葉箱の中にこのアスマン通風乾湿度計が入っていることはほとんどの人が知らないかもしれません。気象庁のアメダスもこのアスマンを応用したものがかつて使われていました。
この機器は重くて持ち運びが不便なため、いちいち組み立てる面倒さもあります。またデジタルと違って自分の目で目盛を確認します。センサーが水銀だまりになっていますので、衝撃に弱いという点もありますので持ち運びには十分注意しましょう。デジタル式の温湿度センサーの誤差を確認するときには、このアスマン通風乾湿度計と比較して誤差範囲を確認することもできます。

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