湿度の測定と記録について

2019-07-31

空気に含まれる飽和水蒸気量は気温の影響を受けます。一般に温度が高くなると飽和水蒸気量が高くなります。私たちの感じる空気の湿り具合を正確に科学的に把握することは気象観測における指標として大事なものです。そうした空気の湿り具合を表す客観的な指数として湿度(%)が使われています。空気1㎡に含む水蒸気量を同じ温度での飽和水蒸気量で割り、100をかけることで算出することができます。地上気象観測要素のうち常に観測される項目のひとつです。これを観測して記録することは気象の状況を把握する上で重要です。湿度は気温と同時に求めることができる乾湿計を用いて求めることが最も基本の方法です。屋外の日陰の直射日光を避けることができる場所で地上から1.5mほどの高さのところに乾湿計を置きます。乾湿計の球の部分に風が十分当たるようにします。そしてしばらくした後に目盛りを水平な高さで読みます。乾球と湿ったガーゼで包んだ球の温度差と乾球の示度の交点から湿度を求めます。必ず観測前にガーゼが湿っていることを確かめておきます。別の方法としては、気温と露点を測定すれば湿度を求めることが可能です。各温度における飽和水蒸気量は既知ですから、露点を求める必要があります。そのためには金属でできた容器に水を入れ徐々に冷やしていきます。金属の容器の周りに水滴ができ始める温度を測定します。この水滴が生じたときの温度(露点)と気温でそれぞれの飽和水蒸気量をグラフから求めて分子と分母にとり、100倍して得られます。この方法は測定が面倒なので観測には乾湿計を用いることもあります。天気との関係晴れた日に1日を記録してみると一般に朝は湿度が高く、昼間は低い傾向を見ることができます。前日から夜のあいだに気温が下がり、また上昇します。日が昇りしばらくすると、その水蒸気量のまま気温が上がりますので、湿度は下がることになります。記録をとるとその原理を理解することが容易にできます。また、雨の日に測定を行いその記録をみてみると、雨の日は空気中の水蒸気量が多いために湿度は高くなる傾向があることがわかります。このように測定値を記録すると、湿度は気温変化とちょうど逆になることがわかります。湿度が高いまま気温が低くなると霧や露が出やすくなることがわかります。こうしたことは観測を記録し続けるとあらかじめ予測を立てられます。さらに空気の乾燥具合を知る目安となり、火災や熱中症(乾燥注意報など)の注意喚起の目安になります。

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