温湿度センサーなどを使って気象データを収集するシステム

2019-06-28

気象庁などが中心となって、日本全国の気温・湿度・風向・風速・雨量・気圧・日射量などの気象観測が行われています。2008年からはアメダスと呼ばれる無人の気象システムを使って、より高度な観測データが提供されるようになりましたが、特定の狭い範囲の気象データを継続的に取得するには、独自の気象観測システムを使わなくてはなりません。従来は独自の気象観測システムを構築するには多額の費用と人員が必要でしたが、1300カ所の場所でアメダスが運用されているように、比較的容易に気象観測システムを利用できる環境が整ってきています。
独自の気象観測システムを構築する場合は、気象庁のシステムのように数多くの気象データを計測しなくても、温湿度センサー・日射計・雨量計などの必要な要素だけを選んで設置すれば良く、逆に気象庁で計測していない項目を取り入れることもできます。持ち運びと設置が簡単な気象観測システムが販売されていますので、特別なスキルも不要で気象システムを構築できます。設置した気象観測システムが取得したデータは、システム内部にあるデータロガーの内部メモリに保存しておいたり、通信装置を利用して送信させたりすることができるので、運用するのも容易です。取得した気象データは、パソコンに取り込めば好きな形で使えますし、データを通信回線経由で取得できるようにすれば、リアルタイムでデータを得ることもできます。

気象の変化によって大きな影響を受ける農業などを営んでいる場合は、独自の気象観測システムを構築して運用することもできます。独自の気象観測システムは、容易に設置運用できますが、観測の仕組みなどを理解しておく必要があります。気象観測システムのことを理解しておけば、効率的なシステムが構築運用できて、無駄をなくすことができますし、故障や調子が悪くなった時でも、すぐに対応することが可能です。標準的な気象システムは、温湿度計・風向風速計・日射計・雨量計・気圧計などから構成されますが、計測する必要のない機器については省くこともできます。温湿度計は温度センサーと湿度センサーの機能を組み合わせた温湿度センサーを使って、温度と湿度を計測する機器です。温度センサーには、2種類の異なる金属導体を使った熱電対や、温度が変化すると抵抗値が変わる白金抵抗体などが用いられます。熱電対は広範囲の温度が計測できて応答が速いのですが、耐久性や精度に優れている白金抵抗体も良く使われます。

湿度センサーには、ナイロン糸などの湿度変化を応用した伸縮式や電気式などがあり、気象観測システムで主に使われるのは電気式です。電気式は、さらに抵抗式と静電容量式に分類され、気象観測システムには静電容量式の湿度センサーがよく使われています。代表的な風向風速計は、風車型風向風速計と超音波風向風速計です。日射計は太陽から放射される単位面積当たりのエネルギー量を測定する機器で、熱を電気に変換する熱電素子が使われます。雨量計は機器内に入ってくる雨水の量を測って、降水量を計測する機器です。これら計測器の構造や原理を理解しておけば、適切な気象観測システムを構築するのに役立ちます。気象観測システムは、計測機器だけで構成されるのではなく、計測したデータを一時的に保存するデータロガーや電源なども必要です。データロガーや電源などは、たくさんの機器に利用されているために、種類も豊富で入手しやすくなっていますが、野外で使うことを考慮して耐久性や防水性、温度特性、耐雷性などの必要な性能を満たした製品を使わなくてはなりません。機器の選定を誤ると、正確な計測ができないだけではなく、システムが破損して事故を起こしてしまう可能性もあります。気象観測システムは、過酷な環境下で使用する機器だということに注意して下さい。

そして、気象観測システムから取得したデータをどのような方法で入手し、活用するかも検討しなくてはなりません。現地に設置されたデータロガー内にデータを蓄積しておき、後から回収することもできますし、通信機器を利用して遠隔地に送信することも可能です。気象システム内部にデータを蓄える方法は、通信システムを構築するコストが省けますが、リアルタイムでデータを収集できませんし、データを回収するために現地に行く必要があります。一方、通信回線を利用してデータを収集する方法は、データを回収に行く必要はありませんしすぐにデータを収集できますが、システムの構成が複雑になってコストも増加します。どちらの方法でデータを回収するのかは、気象システムのために使える予算や気象データの用途などを検討して決めなくてはなりません。このように、気象観測システムはデータの利用目的や設置場所の条件などを考慮して構築運用する必要があります。

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