正しい気温を測るための温度計の設置場所は?

2019-03-17

 温度計は、環境管理や品質管理に欠かせない計測機器です。しかし、同じ温度計でも置く場所を間違えると、知りたい温度と大きく違う数値が表示されることがあります。たとえば直射日光の下では、実際の気温より何度も高い値を示すこともあります。本記事では、目的の温度を正確に測るための「設置場所の選び方」と、誤差を防ぐための実践的なポイントをご紹介します。

正しく温度を測るには

温度計で正確な数値を得るためには、設置場所の選定が何より重要です。特に気温を測定する場合、直射日光が当たらず、風通しの良い日陰に設置するのが基本です。日射を受けると温度計の感部が加熱され、実際の気温より高い数値を示してしまうためです。屋外で気温を測る際には、通風シェルター百葉箱に温度計を入れるなど、感部を日陰で風通しの良い状態に保つ工夫がされています。雨を避けられる環境に設置することも大切です。室温を測る場合は、エアコンや暖房の吹き出し口、直射日光の差し込む窓際は避けるようにしましょう。地温や水温を測定する場合には、それぞれ最適な設置場所や条件が異なります。取扱説明書を確認し、専門家へ相談するのも有効です。

 さらに、使用する温度計が室内専用か屋外対応かといった使用環境の制限も事前に確認しておきましょう。室内専用の温度計を屋外で使うと、防水性能不足による故障や測定精度の低下を招くことがあります。また、計測可能な温度範囲が目的に合っているかどうかも重要です。

 温度計の中には、気温以外にも湿度、風速、気圧、日射量などを同時に測定できる多機能タイプがあります。必要な測定項目に対応しているか、逆に不要な機能が多すぎないかも含めて選定することで、より正確かつ効率的な温度管理が可能になります。


温度計が使用される場所

温度計は、気象観測に限らず、さまざまな現場で重要な役割を果たしています。

 たとえば医療機関では、体調のすぐれない方が多く集まる環境であることから、室内の温度管理が重視されます。わずかな気温の変化が患者の体調に影響を及ぼすだけでなく、ウイルスの拡散を助長する恐れもあるためです。定期的な温度チェックを行い、快適で安全な室内環境を保つことが求められます。 

 農業や製造現場でも、温度の計測は欠かせません。温度は作物の生育に大きく関わるため、畑の複数箇所に温度計を設置して細かく監視することもあります。ビニールハウスで育てる作物は精密な温度管理が求められることがあり、湿度や土壌水分などとあわせて複合的に計測するシステムが導入されることもあります。
工場分野では、温度の急激な変化が製品の品質に影響を与えることがあります。規格外となって出荷できなくなるリスクを避けるため、生産ラインや保管場所で温度を監視するのが一般的です。こうした現場では、温度計の正しい使い方や表示の読み取り方法を理解しておくことも欠かせません。

 このように温度計は、気象観測の他に医療・農業・工業など幅広い分野で活用されており、環境の安全性や製品の品質を守るための重要な計測器として日々利用されています。

不適切な場所に設置すると、、、

 温度計はさまざまな現場で活用されていますが、設置場所を誤ると、正しいデータが得られないだけでなく、機器そのものが故障する恐れがあります。こうしたトラブルを防ぐには、設置環境への配慮が欠かせません。

 特に避けたいのは、直射日光が当たる場所です。太陽光によって温度計の感部が直接温められ、実際の気温より高い数値を示してしまいます。屋外で設置する場合は、感部を日陰かつ風通しの良い環境に保つため、通風シェルターや百葉箱を利用すると効果的です。

 また、ビニールハウスのような高温環境では、ハウス内の温度なのか、日射によって感部が加熱された温度なのかが判別しづらくなることもあります。特に温度が作物に与える影響が大きい場面では誤差の少ない測定が求められるため、設置場所の選定には細心の注意が必要です。
 さらに、計測器を読み取りにくい位置や落下の危険がある場所に置くことも避けましょう。視認性が悪いと日々の確認が疎かになり、落下すれば機器の破損や事故の原因になります。
 このように、正確な測定と機器の保護を両立させるためには最適な設置場所を選ぶことが重要です。

温度計で正しい数値を得るためには、設置場所の選定が何より重要です。気温を測定する場合は直射日光や雨を避け、風通しが良く安全に設置できる場所を選びましょう。目的に応じて機器の仕様や対応環境を確認し、必要な機能を備えたものを選定することも欠かせません。

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