日射計の特性について

2020-05-12

 昨今、自然エネルギーの活用が大変注目されています。中でも一般家庭への普及率がもっとも高いのが太陽光発電です。環境への影響も少なく、可動部がほとんどないため設置するだけで発電できる手軽さが人気です。ただ、そんな太陽光発電もどこに設置しても同じ効果が得られるわけではありません。太陽電池パネルの向き、角度など条件によって発電効率が大きく変わってきます。だからと言って設置条件を頻繁に変更できるものでもありません。事前に綿密な調査を行い、どの方角のどの向きが適当かを確認する必要があります。
場所、季節、時間などの違いで太陽光の当たる量が大きく変わります。どの季節、どの時間を取っても比較的安定した日射量が得られることが重要です。このような条件は感覚的な判断で決定できるものではないため、数値としての計測が必要です。日射量の測定には日射計を使用します。形状はどのメーカーもおおよそ同じで、円錐状の形をしていて、中央に半球状のガラスドームが付いています。これは天候による影響を防ぐために付けられているもので、日射を遮らないよう透過率の高いガラスでできています。ガラスドームの下にはサーモパイルというセンサーがあり、日射量の測定を行います。ガラスドームの周りに白色のカバーが取り付けられていることもあり、これは日射計の筐体を太陽光から遮蔽するカバーであり、温度特性による精度の低下を防ぐ働きをしています。日射計の精度に影響を及ぼすのは日射計本体の温度上昇です。熱が発生すると適切な測定ができなくなります。効率よく排熱するためにファンを有しているものもあります。
測定した結果はデータロガーなど蓄積することにより単位時間あたりの日射量を計測することができます。太陽光発電の設置で必要なのは相対的な評価のためセンサーの角度や位置など設置条件を変えて複数箇所で測定することです。結果として一番効率のいい場所、角度などの設置条件の判断することができます。

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