土壌水分計の種類について

2020-06-01

 土壌水分とは、その名の通り土壌に含まれる水分量のことです。空から降ってきた雨や水路からの灌漑用水の一部は、地面の表面を流れて他の場所に移動しますが、残りは土壌を浸潤します。また、この土壌に滲み込んだ水のうち浸透して地下へ流れ去る水分と土壌に吸着されてその表面や土壌粒の孔隙に吸着されて保持される水分があります。水分保持のメカニズムとしては、化学的な吸着と分子間力による2つがあります。
農作物の育成には土壌水分、すなわち土壌中に吸着された水分は大きな影響を与えます。例えば、寒い時期の長雨による土壌水分量の増加は植物の低温障害を招きます。また逆に、夏の時期における寡雨は土壌水分量の不足を招き立ち枯れや生育障害を起こすことになります。このように土壌水分は、作物の育成に大きな影響を与えますので、アメリカでは農務省や民間機関から発表される土壌水分が農作物相場の指標として利用されています。
農作物にとって重要である土壌水分を測る装置が土壌水分計ですが、土壌水分計には測定原理によりいくつか存在します。シンプルな土壌水分計としてよく知られているものにテンシオメーターがあります。これは、多孔質の磁管を土中に埋めてそこから水を満たしたビニールパイプなどで水理的に圧力計につなぐことにより、土壌中の水分圧力を測るものです。その他の土壌水分計として、水の誘電率が他の物質と比べ大きいことを利用したものがあります。この方式の土壌水分計には、静的な測定法と動的な測定法があります。静的な測定法では土壌を挟むような形でコンデンサを作り、その容量を測る事によりその間の土壌の誘電率を測定し、土壌水分量を推定する方法です。動的な方法としては時間領域反射法TDRと振幅領域反射法ADRの2つがあります。これらの方法は、高周波電場を土壌に照射し反射してくる電場を測定して誘電率を測定し土壌水分を推定します。また、熱伝導を用いた土壌水分の測定法もあります。このように土壌水分の測定方法には様々の方法があり、その測定方法に対応した土壌水分計が存在します。使用者は状況に応じて適したものを使用します。

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