雨量計の設置と一般的に雨量計に与える影響や注意点
雨量計の設置に関して
雨量計を取り付ける時に、その周りに高い樹木や建物がある場合は、必ずと言ってよいほど風の乱れがでます。そしてその風の影響で、雨などの降り方が同じではなくなるため水量の測定に影響がでるものです。樹木から落ちる葉や花びらによって、雨量機器の水口が詰まってしまうこともあります。雨量計を設置する周りに高い樹木や建物がある場合は、そこからある程度の距離をとった場所に設置しましょう。
一般的な注意事項としては、雨量機器の水口部が水平になっていることが挙げられます。地面などに跳ね返った水が受水口に入り込むこともあるため、周囲には芝生あるいは細かな砂利を敷くのが理想です。しかし周辺に物を置くことは、跳ねの原因になるので避けましょう。
建物の屋上への設置に関しても注意が必要です。建物の屋上では形状上、吹き上げるような風が発生してしまい、結果として雨を舞い上げてしまうこともあります。通常は屋上の中央部のほうが風の乱れの影響が小さいですので、屋上に設置する場合はできるだけ中央部へ取り付けるようにします。
寒冷地での設置では、通常の雨量計は雪などの固形のものを測定することができません。雪などの固形のものも測定したい場合、ヒーター付きの雨量計を使用します。受水器へ入った雪をヒーターで溶かしたり、転倒ますや排水口が凍り付くことを防いだりすることが可能です。積雪で雨量機器や排水口が地の中に埋まってしまわないように、雨量計全体のかさ上げをするようにもしましょう。
転倒ます型雨量計については、受水器に入った雨や雪などは濾水器で受けます。そしてその雨や雪を転倒ますに注ぐ形になります。転倒ますは2つのますが左右に動く構造になっているので、一定量の雨水がますに溜まることで倒れて水を下に出します。この転倒する回数を測ることで、降水量を量ることができるのです。
データの品質確認
雨量計に関しては、データの品質確認が必要です。雨量はいろいろな原因によって、データが異常と計測されてしまう場合があります。特に受水器や濾水器に泥やごみなどが詰まるケースが多くなるので、定期的な清掃を行う必要があり、それが障害の予防策の有効方法です。
データの処理エラーや回線異常によって、うまく作動しない場合もあります。このような状態では、定期的に雨量の記録を設置している気象庁のアメダスそしてレーダーの観測記録と比較します。実際の天気の状態もみて、観測データが信頼できるものであるかを確認しなければなりません。 ほかの観測データと比較して誤差がある場合や、あるいは明らかに雨が降っている状態なのに雨量が測れない場合などは、記録上の異常の可能性が高いでしょう。データの信頼性に大きな問題が生じていて、機器のための保守点検作業で記録に乱れが生じることがあるときは、利用者が混乱してしまわないように無効欠測にしてしまうなどの処置を行います。
アメダスが行う面的な確認において雨量記録に対する機器管理の一例は、それぞれある気象台で常時気象を監視して、データ異常の発見するようにしています。そして、24時間の積算雨量等の統計データと品質管理も行なっています。降水量の相関性については、雨量計機器の観測結果において、一般的に相互の相関性が高いです。どの割合の時間で比べるのかで結果は違います。そこで位置する観測点の関係と降水量の月日、そして時間の単位で比較をします。 時単位では、双方の相関性が悪化します。
動作の点検方法
簡単な動作の点検方法について、転倒ますの機能の点検は、転倒ますが転倒するように水を注入し、転倒ますが転倒した回数と計測値とを比べることで点検が可能です。
また定量的な評価方法は、転倒ます型の雨量の測定値に正確さが疑われる場合は、計測器の動作を評価する簡易なものがあります。雨量の受水器より高い位置に水を入れた容器を設置して、この容器に細いチューブを入れて、そこから空気を抜きます。するとサイホンの原理で一定で水が流れ落ちますので、水量を計測することができます。
気象観測については、観測方法や観測単位の技術基準を示すことで観測所への設置の届け出を出すようにします。また、雨量の計測器や風速計など測定器などについては必ず検定を行います。実際の気象観測データがあり、そのデータと品質をさらに向上させるには、観測する環境や保守などの点検が必要です。
測器は、野外の風雨そして、日射にさらされます。このようなさまざまな環境条件の中で、長期間連続的にデータを収集します。 気象の観測を良いものにするには、精度の高い計測器を導入するのも一つの方法ですが、計測器を適切な環境に設置することも大切です。そして毎日の点検をおこたらないことも大事です。気象のアメダスなどでは、観測したデータによる日常の点検などのほかに、年に一回の定期的な保守を行います。日々、自然環境は違うものですし、設置する環境のよしあしでも、データが正しくでません。実際の定期保守の回数は決まっているものではありませんが、観測に使う測器の校正頻度、消耗品の交換周期を決めることは必要です。