雨量計について(1)
雨量計とは降水量を計測するための機器です。ある時間内に地表の水平面に達した降水の量を計測します。雨水を受け止める漏斗形のものにより、機器の内部に流れた雨水の量を計測することで、雨量の計測することができます。機器にヒーターが内蔵されているものを使用することで寒冷地においても計測をすることが可能になります。
降水の計測には貯水型雨量計(雨量ます)、転倒ます型雨量計、降雨強度計、積雪は雪尺及び積雪板、近年では超音波式やレーザー式の積雪計で観測を行います。
貯水型雨量計は、貯水ビンに溜まった雨水を雨水ます(メスシリンダー)に移動させ、雨量を計測します。一方、転倒ます型は、筒の内部に転倒ますを備えたものです。ある一定の重量になることで転倒ますが転倒するので、その転倒数から雨量を計測することができます。1時間で転倒した回数を記録すること、時間雨量を知ることができるのです。転倒ます型を使用すると定期的に現場に行って貯水ビンに溜まった水を計量する必要が無く、ある程度放置していても正確に雨量を測れることから、長時間の計測もしくは遠く離れた場所から遠隔モニタリングする用途に適しています。こういった理由から気象庁や河川事務所など数多くの現場で採用されています。
そして、近年ではレーダーを用いたレーダー計により大体の降雨を予想した上でアメダスなどに設置されている計器の観測結果を使用し正確に直した解析雨量が取り入れられる機会も増えてきています。
このように、雨量計は専門家の研究に使われるだけではなく、私たちの日常生活やいざという時の防災面で役立っています。河川の氾濫もしくは、都市の機能を混乱させてしまうほどの局地的な豪雨をはじめとする雨の被害は計り知れないものであると言えます。それらをトラブルが起こる前に予測し警報を出すなどで、起こってしまう被害を小さなものにすることができるのです。そういった予測をするには、上述してきた機器が必要不可欠なのです。そのため、リアルタイムで常時監視するため集中監視システムを取り入れているとこも少なくないですし、近年集中豪雨による被害が相次いでいることで雨量計の設置は増加傾向にあります。防災利用はもちろん、土木やダムの管理、農業分野など水を扱う場面や外で作業を行うような場所で利用されています。
技術の発達により、雨量計測に様々な方法が生み出されてきてはいるもののこれまで利用されてきた実際に雨の量を測るという方法の正確性が高いことから、今日においても欠かすことのできない方法とされているのです。