雨量計について(2)

2019-01-04

雨量計の種類について

雨量計はとても私達の生活に役立っています。雨量を観測することで、雨への対策などを行うことができるからです。この雨量計には大まかに分けて2種類の雨量計があります。
一つ目は貯水型雨量計です。受水器(貯水ビン)に集めらた雨水を雨量ますと呼ばれる目盛のついた容器に移し、その量を目視により観測します。取扱いが簡単で、安価に観測網を構築できる反面、貯水ビンの容量が限界を超えると雨量の測定が不可能になり、また、放置しすぎると貯まった雨水が蒸発して正確な測定できなくなるため、有人観測が前提です。
二つ目は転倒ます型雨量計です。転倒ます型の仕組みは雨量計内部に水の重さで倒れる三角型の”転倒ます”と呼ばれる水受けが搭載されており、受水器で雨水受けた雨水が濾水器を経由して一方の転倒ますに一定量溜まると、転倒ますが転倒し、電気信号を発します。この電気信号を記録することによって降水量を計測することができます。このタイプの長所は電気信号で記録する仕組みが搭載されているので、遠隔の観測や記録計への自動入力が可能になります。特にこのタイプは遠隔操作が可能になるので、利便性等の観点からも使用される頻度が多くなっているのです。また、転倒ます型はヒーターを内蔵することもできますので、寒冷地での計測も可能にします。
このように現代では主に2種類の雨量計が多くのところで使用されています。

雨量計の設置場所について

雨量計を購入したら実際に設置してみるのが一般的です。しかし、どこに設置したら良いのか分からない方もいると思います。雨量の観測は、風等の周囲環境に大きく影響を受けます。例えば、雨量計の設置場所の近くにある障害物によって、風が吹き上がったり吹き抜けたりすると、雨滴が雨量計の受水口から外れてしまうため、雨の捕捉が悪くなります。気象庁の地上気象観測指針において、降水補足を妨げる環境的な要因を避けるため、いくつかの観測条件が指定されています。
①付近に降雨を乱す恐れのある障害物がない場所を選ぶ、建物や樹木などがある場合には、なるべく離れた場所(障害物の高さの4倍以上が望ましい)を選ぶ。
②設置場所が平坦で、窪んだり、高くなったりしている場所や傾斜地は避け、気流ができるだけ水平になるような場所を選ぶ。
③風が吹き上げたり、吹きだまったりするような場所は避ける。やむを得ずビルの屋上などに設置する場合は、壁面から吹き上げる風の影響を避けて、中央部分(四方から10m以上内側が望ましい)を選ぶ。
④設置場所がコンクリートやアスファルトなどで舗装してある場合は、雨が強い時に跳ね返りを防ぐために、約1m四方くらいの人工芝などを敷くことを推奨する。
このように設置場所をある程度考慮しなければなりません。設置場所によっては正しく観測することができなかったり、観測の精度を悪くしたりしてしまう場合があるので、設置場所の注意点に関してはしっかりと把握しておくと効率よく設置場所を選定することができます。

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