気圧計の種類と歴史
地球上には大気があります。この大気の押す力を気圧といいます。気圧の観測は気象観測の要素で、欠かすことができません。気圧の変動から天気の変化を読み解くことができるからです。気圧を測定するには気圧計を使います。気圧の増減を鋭敏に求めることができる装置を必要とします。昔はガラス製の水銀柱の中に水銀を入れた装置が気圧の測定に使われていました。感度が良い装置ですが水銀の環境汚染の問題から使われなくなりました。そこで金属缶の変形の具合を感知する方法を使った気圧計が現在ではよく使われています。そして最近では、気圧センサーが内蔵されている装置が登場しました。気圧センサーとは圧力を感知する素子のことで、気圧の変化で空間の上の薄いシリコンの板がたわむと、抵抗が変わります。それを電気的に増幅することで大気圧として表わすことができます。 高精度のものもあります。それに対して従来の金属缶の気圧計は、内部が真空に保たれています。この中の空間はばねが支え、大気圧とつりあうようになっています。しかし気圧が高くなるとわずかにへこみ、低くなるとわずかにふくらみます。この微小な変化をテコで大きくして、目盛りで読めるようにしています。従って、水銀柱や電気的な増幅と比べて測定の精度はそれほどではありません。
気圧は1日のある決まった時間に測ります。屋外の気圧を測定する場合には、温度や日光などの影響も考えられますので、室内から取り出して観測するときは、前もって出しておいてから観測するようにしたほうがより正確に測定できます。この装置は電気的に計測を行いますから電源を必要とします。乾電池駆動タイプもありますが、電源の確保が測定には必須になります。予備のバッテリーや電池などを用意しておくことが望ましいです。この気圧計の場合には、必ず電気的な表示に頼ることになりますから、正常値を指し示しているのかどうか確認が必要です。例えば測定前には常に自己診断機能などを利用して、正常な測定が行われているかどうかチェックする必要があります。このタイプの気圧計での測定を妨げることが予想される熱源などが近くにないか、観測地点の周囲を点検します。また、装置はある程度耐久性を考えて作られていますが、降雨などに濡れることも考えられます。濡れたらすぐにふきましょう。日々正確な記録を行うために、器具の点検を必ず行います。予備の装置を備えておくと良いでしょう。装置に付属されている保守法や注意を理解しておく必要があります。