地球温暖化と熱中症
2021-03-09
人間活動に伴う二酸化炭素等の温室効果ガスの排出量増大により、地球温暖化が問題になっています。2013年に発表された「気候変動に関する政府間パネル(IPCC)」の第5次評価報告書によると、1880~2012年において世界全体の平均気温は0.85度上昇し、1986~2005年を基準とした2081~2100年における世界平均地上気温は、「低位安定化シナリオ」(RCP2.6)では0.3~1.7℃、「中位安定化シナリオ」(RCP4.5)では1.1~2.6℃、「高位安定化シナリオ」(RCP6.0)では1.4~3.1℃、「高位参照シナリオ」(RCP8.5)では2.6 ~4.8℃上昇すると予測しています。
また、平均気温の上昇だけでなく、熱波、大雨、干ばつ等の極端な気象現象も増えると予想しています。 例えば、ヨーロッパでは2003年の夏に猛烈な熱波に襲われ、平均気温は1961~1990年と比べ3.8度高くなりました。この熱波による死者数は約5万人に上ったと報告されています。日本でも国立環境研究所等によれば、21世紀の末に気温が30度を超える真夏日が大幅に増加すると予測されています。地球の温暖化により熱中症や感染症のリスクが増大する他、農業、沿岸域、水 資源、自然生態系等に様々な影響が現れるでしょう。
※本記事は、「熱中症環境保健マニュアル2018」(環境省)heatillness_manual_full.pdf (env.go.jp) を参考に作成しています。