風速計について
風速計の役割について
風速計とはどういうものかというと、その名の通り、風の速度を測るための機器です。主に気象台や測候所のような直接気象予報に関係する場所に設置されていますが、この他にも駅や沿線、空港、役所、船舶に設置されていたり、高い電波塔に設置がされていたり、高速道路など風に関係する場所はすべて設置されています。観測された風速データは、例えば、新幹線や在来線の徐行運転や運転見合わせの判断基準にするなど、鉄道の運行管理に使われています。それほど風を観測するということは重要なことになります。
また、テレビで見たことがあるという方もいるかもしれませんが、スポーツ競技でもたとえば陸上競技で追い風参考を見るために設置されている風速計も存在していますし、野球場でも今現在どのくらいの風が吹いているかというようなことを知るために、設置されているということもあります。建設現場においてもクレーン作業などの中止指示を出すための判断基準に使われています。このように、さまざまな場所に設置がされており、色々な役割があります。風速計が使われる時で一番重要な場面は、やはり気象現象になります。なぜ、気象現象で必要になってくるのかというと、やはりそれは人々の生活や安全を守るためとなります。特に風に関しては人々の生活に影響を与えることがあります。
その中でも代表的なものが台風になりますが、台風は場合によっては風速50m/sから60m/sほど吹き荒れることがあります。さらに、最大瞬間風速ともなると、さらにこれを上回ることとなります。しっかりと安全を確保するためにも、全国の気象台だけではなく、さまざまな場所に設置がされています。最近では巨大竜巻などのニュースを耳にすることも珍しくありません。被害状況との関係を把握するためにも風速計の重要性というのは以前よりも増しています。
風速計の必要性や原理について
風速計は空気の流れを観測するためには必要不可欠の機器です。主に気象台や空港、駅などで設置されているケースがありますが、世界中のあらゆる場所で使用されています。
風速計は、空気の流れや速度を正確に測ることが可能ですので、作業の環境を管理する上でも非常に必要なものです。では、どういった場所が観測をする必要性のある場所なのでしょうか。たとえば、分煙設備の効果の確認や、オフィスなどの換気装置の機能を確かめるため使用することがあります。また、工場のクリーンルームなどでは、空調管理をすることが必要不可欠となり、管理をしっかりとするためにも風速計は非常に重要な機器です。このように、一見屋外の風速を測るためだけの機器のようにも感じますが、実はあらゆる場面で活躍をしています。それだけ風速計は重要な機器であると言えます。
また、原理についてですが、風杯型風速計は垂直な回転軸の周りに付いている風杯が風によって回転するので、その回転数から風速を計測することができます。風車型風速計は前方に風車(プロペラ)後方に尾翼を有する流線型の胴体からなる風向風速計の形態をとり、常に風車が風上に向くようになるので、本体の向きから風向、風車の回転数から風速を計測することができます。超音波式風速計は、向かい合う超音波送受信器間を超音波の伝播する所要時間を測定し、双方からの伝搬時間を比較することで風速と風向を計測することができます。その他、電熱線を使った熱線式風速計や、風の動圧を利用したピトー管、吹流しなどがあります。今では小型で持ち運びができるものも多く販売されているので、基本的には誰でも気軽に購入できるようになってきています。
このように、誰でも気軽に触れられるまでに成長してきている装置なので、風のことに興味があるという場合には、積極的に利用してみてはいかがでしょうか。
風速計の選び方
風速計には学校教材向けの簡易的な安価なものから防災監視にも使用できる高精度なものまで様々な種類があります。測定原理や設置環境によって得意不得意がありますので、目的に応じて適切な風速計をご選択いただく必要があります。また、気象業務法で気象測器の検定制度がありますので、公共機関などが気象観測を行う場合や観測値を公表したり、防災を目的としたりする場合には、測定精度の維持・統一のため、一定の規格に適合した風速計を使用する必要があります。