気象観測で天候を監視する様々な方法について
気象観測をして天候を監視及び予測することは、私たちの日常生活や地域社会にとって欠かすことができません。気象観測は気象学を学ぶ上で全ての基礎ともいえます。その歴史は遥か古代にまで遡り、古代のころから人々は自然現象を何らかの方法で観測していたという文献が残っているほど私たちの生活に密接に関わってきています。今日に至るまで気象を研究するには観測で収集したデータが必要となっており、蓄積されたデータからこれから起こりうる天気や気象現象の傾向を読み取ることができるため、私たちの生活には欠かせません。
気象観測は観測場所により種類が4つに大別されています。地上での観測・海上の観測・高山での観測、そして気象衛星による観測です。気象衛星による気象観測はまだ登場してから半世紀ほどとあまり年月が経っているわけではありませんが、精度については著しく進歩しており非常に便利になっています。気象観測を行う対象としては、雨・雪・気圧・日射量及び日照時間・雲・風向及び風速・気温・湿度など非常に多岐の項目に渡ります。例として雨であれば降水量を求め、風であれば風向や風速、雪であれば積雪量を求めることになります。
このうち最も私たちにとって身近であり、また近年やっかいな存在にもなっているのが雨です。降った雨の量を調べるには雨量計を使用し専用の容器の中に貯まった雨の量を計測します。雨による土砂崩れや洪水などといった自然災害はどうしても高温多湿を特徴とする日本国内においては起こりがちですので、気象を専門に扱う機関のみならず道路を管理する機関や林業及び治水などに関連する機関などが雨量計を使用し、それぞれの機関が独自に測定しています。気象衛星の観測レーダーから読み取れる雨に関する情報は、非常に広範囲を観測するのに便利なため、大まかな目安として参考にするのに使用することが可能です。しかし、欠点としては地域によっては雨量の誤差が大きくなることがあり、雨量計実測値を使って補正しています。他に感雨計と呼ばれる雨や雪が降っているかどうかを検知できる機器もあります。感雨計では雨量計では読み取れない雨の降り始めや弱い雨を感じ取ることもできます。
他には風の場合は風向風速計で測っていきます。気象台の中の測風塔と呼ばれる塔の上に設置することがあります。測風塔は主に周りの建物などによって観測データに障害を受けないようにする目的で設置しています。雪については主に積雪計を使って観測します。地上から2mから4mほどの高さにレベルセンサーを設置して、センサーから雪面までの距離を測定するという仕組みです。他には雪尺と呼ばれる専用のものさしを使って積雪の深さを測ることもあります。このように、気象観測の現場においては様々な観測方法が確立されており、地域社会の大きな助けとなっています。