湿度と湿度計に使われるセンサーについて

2019-07-31

湿度は人間の生活に大きく影響を及ぼす環境パラメータです。湿度の単位は、ある温度で大気が含むことのできる水蒸気の最大量を100とし、実際の水蒸気量の測定値をパーセントで表したものです。ここで注意しておきたいことは、空気が含むことのできる水分量は、温度により異なるということです。同じ圧力であれば、温度の高い方がより多くの水分を含むことができます。このため、冬は乾燥しやすく、夏は蒸しやすいのです。湿度が高いと金属は錆びやすく、有機物は腐敗が進むということも忘れてはならないことです。これはどちらも物の表面に水分の薄い膜ができて、酸化が促進されるからです。このため、湿度は家庭環境だけでなく生産現場においても重要な影響を及ぼすものなのです。湿度管理は温度管理と並んで生産現場における重要な管理項目になっており、湿度計も欠かせない計測機器になっているのです。湿度計での湿度測定には、いくつかの方法があります。乾球温度計と湿球温度計を利用したもの。毛髪やバイメタルを用いた物体の伸縮を利用した機械式のもの。抵抗式センサーや静電容量式センサーを用いた電気的変化を利用したものです。これらの測定はそれぞれ特徴がありますが、現在主流となっているのは、抵抗式センサーや静電容量式センサーを用いた電気的変化を用いたものです。これは、コンピュータの普及とともにすべての測定量がデジタルデータとして管理されるようになったことが大きな要因と考えられます。電気式の湿度測定では抵抗式と静電容量式の2つの方法があります。抵抗式は電極の間に感湿材料を挟んであります。この材料は湿度が低くなると抵抗値が大きくなり、湿度が高くなると抵抗値が小さくなる性質を持っています。この抵抗値の変化から湿度を測定するのです。この抵抗式は比較的安価であるという特徴がありますが、低湿度では抵抗が大きくなりすぎて測れないことや、応答速度が遅いという短所があります。もう一つの静電容量型の湿度計は、上部電極と下部電極の間に薄い感湿材料がサンドイッチ状に挟まれています。この場合は抵抗式と異なり、水分を吸脱湿することにより、上下電極間の静電容量が変化します。この静電容量の変化から湿度を測定するのです。静電容量は湿度が0でもある値を持つので、先ほどの抵抗型のように低湿度で測定できなくなることはありません。また、静電気の変化は抵抗変化に比較して即応性が高いので測定の応答速度は速いという特徴があります。一方、静電測定用の電気回路は抵抗型に比べてやや高価であるという点が欠点がとしてあります。湿度計の選択にはこれらの特徴を踏まえたうえで、適材適所で選ぶのが必要ではないでしょうか。

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