気圧計は意外に使われている

2020-02-26

 世の中にはよく知られていないけれども、ないと困るものというのがたくさんあります。一般的に誰もが使うものであればみんなが知っていますが、ごく一部の人が使うようなものは、ほとんどの人が知らず、そのような限られた人たちが使うものの中で気圧計というものがあります。これは一体何なのでしょうか。気圧というのは大気の圧力のことで気象では大気圧などの表現があります。大気の状態を、気圧ということで測定をすることができます。
 気圧には高気圧と低気圧があり、高気圧は中心部分が周りの気圧より高くなっていて、天候も晴れるところをいいます。低気圧はその逆で、周りよりも中心部分の気圧が低くなります。低気圧になると、雨が降りやすく梅雨の時期では低気圧が日本列島に停滞することで雨が集中的に降ります。
 気圧は気象観測データの1つで気温・湿度・風向風速等と同様に定時に測定されています。天気予報などで気圧の状態を話す気象予報士がいますが、テレビを見ている方は、気圧よりも天気や温度に関してはよく気にかけて見ることが多く、気圧を気にかけることはあまりないかもしれません。気圧というものは、読んで字のごとく空気の圧力を略して気圧といいます。言葉では知っていると思いますが、実際に気圧というものはどういった仕組みなのでしょうか。気圧というものは空気の重さを量る基準として単位を決められており、地上に近くなればなるほど気圧は大きくなります。大気圏外に出ると空気がありませんので、理論的には無重力の中でちょっと押されると永遠に押された方に移動し続けます。低気圧の時に雨が降りやすいのは、周りの空気が中心部分に流れていきその流れ込んだ空気が上昇していき、そこで水蒸気となることで雲を作ります。できた雲から雨として水蒸気を出していきます。このように空気圧がどういった状態なのか、今後どのように変化していくのかがわかれば、その後の天気を予想しやすくなります。現在の気象情報として天気の予想をするときに重要な要素になっています。
 普段生活をしていく上で気圧の情報はほとんど必要ないのですが、業種によってはなくてはならない職業もあります。まずは、気象情報を収集して天気予報を行う場合は、気圧計はなくてはならないものです。気象予報を行うときに気圧の情報は欠かせないものなので、天気予報をするときには必ず気圧計を使って今後の天気の予想をしています。現在は衛星からの情報を元に、より正確な天気予報を出すことができます。他に気圧計を使う業種として、工業関係の会社でも必要になることがあります。航空会社では、飛行機の運航状況や飛行中の機体の細かな航路などを決めるために常に気候を観測する必要があるので、気圧計をはじめとした観測機器は欠かせないものです。個人でも利用する場合があります。登山をされる方は、気圧計を持参している人が多くいます。山の天候は変わりやすく、常に天気を気にしながら登山をしていないと、急な天候の変化で大事故になる可能性もあります。また、気圧計は高度計としても利用できるため、今どれくらいの位置にいるのか把握するために利用される方もいるのです。
 優れた気圧計が販売され、常に新しい性能のいいものが出てきています。性能面では相当正確なものを出せるようになっていて、気象庁や企業等が利用する場合には今のものでも十分ですが、アナログ表示から既にデジタル表示のものまでできていて、さらには衛星によるより正確な気象情報を収集することもできるようになりました。地上での気圧の測定はより気軽なものになっていくとみられ、気圧計は個人でも安い価格で簡単に手に入るようになってきます。個人での気圧計の利用は今のところ限られていますが、個人でもスマートフォンなどの端末の中に気圧計が組み込まれた物が出てきて気圧を見るのが一般的になってくるはずです。アウトドア用腕時計などに気圧計が組み込まれているものも多くあるため、普段から気圧を目にする機会が多くなり、違和感なく情報として取り込むことができるでしょう。今のところ一般的には気圧を意識して見ている人はあまりいませんが、将来手元に気圧計を持つようなことがあれば、気圧が現在の温度を見るような感覚になるでしょう。

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