風向風速計についての説明

2018-11-08

風は自然の現象ですので、たえず変化しています。これを観測するために用いるのが風向風速計(風速計)です。

観測のポイント

風向風速計は気象要素の中で風速と風向を計測する機器を指します。風速値のみを計測する風速計もあります。ここではそれを用いた観測の方法と装置の使用に伴うさまざまな注意点について説明します。

風観測の条件

風速の計測には風杯型風速計、風車型風速計、超音波式風速計などが使われています。地上気象観測法で風向風速計は平らな開けた場所に独立した支柱や塔を建て、地上から10m(WMO基準)の高さのところに取り付けることが標準とされています。しかし、実際にはこのような条件を満たす場所を探すことが困難である場合が多くあります。その場合は建物の近くや屋上などに支柱や塔を建てて設置することになりますので、付近の建物などの影響が避けられない場合が少なくありません。

観測の注意点

風観測に理想的な条件の場所に設置できない場合は、次の事項に注意して設置場所を選定してください。建物の屋上やビルの谷間、あるいは山頂などに設置する場合、吹き上げ・吹き下ろし風の影響を受ける可能性がありますので、なるべく影響を受けない場所を選定してください。特に建物の屋上は、壁面からの吹き上げ風の影響があるので、屋上の中央部に2m以上の支柱の上に設置してください。設置条件が悪いと、乱流の影響を受けて測器がグルグル回転してしまうことがあります。鉄塔や電柱などへの設置で塔の途中に設置するときは、塔から生じる乱流の影響を避けるため、水平にアームを張り出し、できるだけ塔から遠ざけて設置することが望ましいです。また、付近の建造物や樹木の将来の成長も考慮し、これらの影響が極力少ない観測場所を選定する必要もあります。長期的に観測するためには、将来的にも同一地点で風観測に支障が生じない必要がありますので、この確認がどうしても必要になります。障害が予測される場合には、関係者への交渉や確認が必要になります。

点検と維持

風向風速計は長期間連続して使用することになりますので、安定して測定できるようにしっかり固定し、ぐらつきや振動などがないような設置方法を検討します。
観測に伴い定期的な点検を行い、緊急時に備えて予備の交換部品を準備しておくことも必要です。継続して安定な観測データを得るためには、測器の注意書きや使用方法を守り、正確なデータが得られるようにしなければなりません。定期点検以外でも台風など強風が吹いた後、強風時に物が飛んできて、風向風速計に当たって破損し、正常な値が記録されていないことがありますので、同じように点検を行う必要があります。

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