工場向け 気象防災システム

2019-11-05

 近年の温暖化の影響により、異常気象が発生し各地で従来の風雨強度を超えた集中豪雨や暴風が発生することが多くなってきております。アジア開発銀行は2017年の報告書の中で、異常気象に影響を受けやすい世界10カ国のうち、6カ国はアジアだと注意を促しました。多くの国が気候変動を引き起こす温暖化ガス削減に取り組んでいるものの、2018年12月にポーランドで開かれた第24回国連気候変動枠組み条約締約国会議(COP24)でのパリ協定のルールを巡る合意だけでは、問題を食い止められそうもありません。

 水害は台風による豪雨等が長時間続き累積雨量が多くなることが原因で、インフラや施設内の排水能力を超えて被害を拡大化させる傾向にあります。特に工場施設では高額な製造機器等の直接の損失に加えて、操業停止に伴う収益減少や関係取引先への損害をもたらします。2018年度は台風など度重なる自然災害が企業業績を圧迫し、自然災害に関連する損失を集計するとトータルでは1000億円を超える恐れがある(2018/10/28 日本経済新聞)とされています。さらに、工場施設内では生産にかかわる原材料及び薬品類の危険物貯蔵庫等が受ける影響も懸念されています。危険物貯蔵庫等が損傷した場合、被害は施設内に留まらず広く周辺地域を巻き込んだ大規模な損害へと拡大する可能性があるからです。総務省消防庁は2019年8月の九州北部の記録的大雨による油流出事故を受け、風水害対策の徹底求める指針を策定する予定です。

 イギリスの心理学者、ジョン・リーチ博士は研究で、不意の災害に遭ったとき、人は3パターンの行動に分かれると指摘します。ショック状態でぼうぜんとする人が全体の7割強、我を失って泣きわめく人が15%弱、落ち着いて行動する人が10~15%だそうです。このことから、未知の災害に適切に対応するには減災への意識とリスクの正確な把握、平時からの訓練と備えが必要といえます。以上のような背景から、工場施設における風水害に対する事前の備えとして、災害の到来と規模を事前に把握する気象防災システムの必要性が強く認識されつつある状況です。以下では、工場施設向けの気象防災システムについて解説していきます。

1、工場向け気象防災システムの概要

 工場敷地内の風向、風速、雨量、排水や貯水槽のpH、暑さ指数のモニタを行い、基準値を超えた場合警報出力(接点出力)をおこない、気象災害の軽減を図り、風雨の実際の気象情報を具体的な数値で把握し、台風時の工場の実態を把握し、生産インフラの減災対策や環境基本法/労働安全衛生法遵守、気象防災に対するBCPに役立てることを目的としたシステムです。

2、機能 工場向け気象防災システム(FMF100)

2-1、計測、記録内容

計測(7項目)/記録項目内容(17項目)

風:平均風速、最大風速、最大風速時の時間、平均風向°16方位、最大風速時の風向
雨量:降雨強度(mm/10min)、積算雨量(mm/h)
温度:平均気温、最高気温、最低気温、最高気温時の時間
湿度:平均湿度、最高湿度、最低湿度
日射:積算日射(kW/h)
【オプション】pH:平均値(ph/1min)

2-2、画面表示(モニタリング)内容

表示項目(モニタ項目):12項目

風 :平均風速、最大風速、平均風向(16方位、度)
雨 :降雨強度、積算雨量
温度:気温、最高気温、最低気温
湿度:湿度
暑さ指数(WBGT)
pH
暑さ指数は、温湿度、日射の計測値より簡易計で算出し表示します。

2-3、画面表示(モニタリング)内容

警報出力:3項目

風速  (SE1 )
累積雨量(SE2 )
暑さ指数(SE3 )
メール通知:4項目
風速、雨量、暑さ指数、pH
閾値を予めロガへ設定し、閾値を超えた場合接点出力、メール通知を行います。

3、画面表示

リアルタイムモニタ画面(例)


警報画面(例)

4、システム構成 工場向け気象防災システム FMF100

観測に必要なセンサ、機材、ロガー、表示装置がすべて揃っており、システムを設置するだけで観測が行えます。観測データは、収録装置内部で演算し平均値、最大値、最小値、累積値等へ統計処理行い記録を行います。
付属のパソコンでリアルタイムで観測データをパソコンでモニタすることが出来ます。
本システムの接点端子に、パトライトや放送設備を接続することで警報出力が行えます。

特徴

5、簡易見積

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