熱中症対策の最前線:企業・自治体・教育現場で進む取り組みと最新テクノロジー活用術

2025-06-25

目次


1. はじめに:熱中症は「防げる災害」へ

気候変動による地球温暖化の影響で、日本では5月から9月にかけての熱中症で搬送される患者数が急増しています。総務省消防庁によれば、2023年の熱中症による救急搬送者数は9万人を超え、2024年は97,578人と増加、その多くが職場・学校・施設内で発生していることが分かっています。 これにより、2025年6月1日に、職場における熱中症対策を強化する目的で、労働安全衛生規則の改正が施行され、事業者には熱中症対策の実施が義務付けられました。 本記事では、熱中症のメカニズムやリスク要因に触れながら、現場で求められる対策、WBGT計測システムを中心とした最新のテクノロジーの活用術、そして企業としての実務的メリットまでを解説していきます。


2. 熱中症の正しい理解と発生メカニズム

熱中症とは、体温の上昇と体内の水分・塩分のバランスが崩れることによって発生し、命にかかわることもある危険な症状です。軽度のめまいや筋肉のこわばりから、重度の意識障害、臓器障害まで多岐にわたります。

主なリスク要因


3. 「熱中症警戒アラート」と企業活動への影響

環境省と気象庁は、2020年から全国で「熱中症警戒アラート」を発表する制度を導入しました。これは、WBGT値が33℃以上になることが予測される地域に対し、屋外活動の中止や、こまめな水分補給の徹底を呼びかけるものです。


4. 現場で求められる「多層的」な熱中症対策

(1)WBGT値の計測、常時監視

(2)作業時間・内容の見直し

(3)服装・装備の見直し

(4)水分・塩分補給の管理


5. 各業種における実践例

建設業

夏場の作業を午前と夕方にシフト。WBGTが30℃を超えると「作業中断アラート」が全現場に自動送信され、各班長が対応指示を実施。これにより、重症事故ゼロを実現。

製造業

空調導入が難しい屋内現場にミスト扇風機+WBGTセンサーを導入。値が28℃を超えると冷却ウェアの着用を推奨・支給、30℃以上で人員交代制へ。作業者の満足度が高まり、離職率も低下。

教育機関

グラウンド横にWBGTモニターを設置し、数値を見える化。28℃を超えると体育の屋外活動を中止し、屋内での代替活動に移行。冷房設備がある場合は活用し、熱中症リスクを低減。保護者からの信頼性が向上し、救急搬送ゼロを実現。


6. 企業・自治体にとっての実務的メリット

見える化によって現場の行動が変わり、事故を未然に防ぐ。WBGT観測装置の導入は、その第一歩としてコスト以上の価値を生み出します。


7. まとめ:熱中症対策の“質”が企業価値を左右する時代

かつては“その場しのぎ”だった暑さ対策が、今では「安全配慮の可視化」と「ESG経営の証明」という意味合いを持つようになりました。
熱中症対策は、人命を守る行動であり、組織の信頼を築く施策でもあります。
気象観測装置と最新技術を活用したWBGT計測及び熱中症対策は、単なる防災対策ではなく、働く人を守り、企業の価値を高める“未来型リスクマネジメント”でもあるでしょう。


8. 暑さ指数(WBGT)計測におすすめの製品

暑さ指数ロガー FieldMark-WBGT


150mm黒球 FPG150


黒球温度センサー TPT100G


自然通風シェルター FP1806


自然通風シェルター FP1810


Pt100温度センサー TPT100


小型温湿度センサー HMP60


温湿度センサー HMP155

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